Gesanmedo ――Tibetan Highlands Elementary School Construction Fund NPO

現地からのたより

第一回現地報告

〜曲登中心小学校視察と建設をめぐる現在の状況〜

  鈴木晋作

2004年5月5日現在  鈴木晋作

【第一回目 曲登郷中心小学校視察】

〜訪問者〜 基金会より 鈴木晋作

● 4月23日(金曜日)

12:45  曲登郷に到着

・ 小学校の前で降車し、政府役場へ

・ 役人は不在らしく、応答なし

・ 子供の案内で小学校へ

13:00  曲登中心小学校へ

・ 建築が着工していないことを確認

・ 先生に会う

・ 今回の建築の内容を説明

・ 授業・休み時間の風景を観察

・ 集落を歩き、観察

15:45  公安局の車で理塘へ、曲登郷を後に

19:30頃 民宿に戻り、烏里・齊藤両氏に合流。現地の経緯を説明。

 

〜確認されたこと〜

建設に関して

・ 小学校の周辺には、学校建設にかかわるような材料は見当たらない。【修理中の建物、既存の建物の周辺には、石が置かれている】

・ 実際に着工したようなことはまったく確認できない。

・ 以前(昨年度)建築された学生宿舎は雨漏り等の問題から宿舎としては使用されておらず、物置として使用されている。

・ 午後の授業が始まる(3時)頃には、教室内は、少しずつ暗くなり手元は非常に見にくい状態となる。

・ 駐在している先生も今回の建築のことを教育局からは特に知らされていない。

 

小学校の現況に関して

・ 学生数は66人。年齢層は、主に6、7〜10、11歳(最高齢は、18歳の男子)女子学生数は全体の20%弱程度で少ない。

・ 教師数は4人。訪問時、20歳、22歳の若い男と先生が住在。もう一人若い男 性の先生と、34、5歳の女性の先生が普段はいる。2年生のクラスは自習をしていたようだ。

・ 遠隔家庭の学生は、親族などを頼って曲登郷へ移り住んでいる。一番自宅の遠い子供は、馬で3,4日かかる。

・ 昼は一度帰宅し昼食をとってから、午後の授業にまた登校する。

 

曲登郷の状況

・ 冬虫夏草を取りに行ったり、遊牧しに行ったりと特に若い人の姿が見られず、人気が少ない。

・ お寺は、僧坊を建築途中(工事はしていなかった)であり、大ラマは不在であった。

 

理塘と曲登郷を結ぶ道

・ 理塘と曲登郷の間は、頻繁に物と人の行き来がある。高城鎮(市街)のカンパゲという地域には特に曲登郷出身者が多いようで、街中やここを聞きまわれば,車を探すことができる。(地元の人で一人片道20〜30間程度、車1台は300元程度か)

・ 運転手は道中、遊牧民を見とめると、車をとめ冬虫夏草やヤク・羊の毛皮を買ったり、代わりに物を街へ運んだりする。これが彼の仕事のようだ。車を所有するということで、多くの恩恵に与ることができるようだ。遊牧民も車を待っていて,停車するとすぐに商談が始まる。同時に情報も伝播する。

・ 4月のはじめの頃からは、かなり自由に行き来ができるのではないだろうか。教育局が言うような困難さは無く、4月の中ごろになれば容易く車はみつかる。

【小学校訪問後記〜鈴木晋作】

教育局を通さず、個人的に訪れることで早めに現況を知り得ました。当地を訪れて、何も準備がなされておらず、先生までも今回の建築を知らないことには驚きました。予想された面はありましたが、まったく準備がなされていないことから、教育局との関係そして開校間での工事期間に関して、今後の対応を考え直さねばならないと思いました。

個人的な考えとして、

「できるところからはじめ、重要な建物から作るべき。今期はできるところまで建設するものとする。ただ何時はじめることができるか、それが分からない状況では予定が立てられない。工事担当者に建設に必要な期間を確認する必要がある。」

もしくは「現在のように教育局が信用できず約束を守らないようであれば、今の小学校を補完する援助をする。雨漏りしている宿舎を直し、暗い教室に電灯設備を入れるなど。そのほうが予算の使い道がはっきりしており、予算・工事計画なども立て易いのではないか」とも考えました。

烏里氏、齊藤氏と改めて話し合い、再度教育局と協議する必要がありました。

 

【第二回目 曲登郷中心小学校視察】 

〜訪問者〜 基金会より 烏里烏沙 齊藤祐子 鈴木晋作 森田大輔

● 4月27日(火)

〜現地の経緯

第一回目〈4月23日〉の視察、現地確認の上、翌〈4月24日〉高城賓館にて教育副局長に確認したところ、特に建築のための準備は為されていない事が判明。それから2日間、教育局は慌しく動いたようで、局長は「まもなく着工し、工期3ヶ月間で完成させる」と口頭で説明。それを踏まえて我々で話し合い、今回の訪問では小学校の子供たちと先生そして郷の人々に説明する集まりを持とうという事になった。それに際して、校長でもある村長が全面的に協力。

10:00  教育局へ模型を取りに。半頃、曲登郷村長の車で高城鎮を出発。

13:40  曲登郷に到着

・ 小学校を訪問、食事、談話

・ 前回不在だった先生も帰校済み

・ 集落を歩く、お寺の中庭まで行って様子を観察

15:00〜16:00過ぎ  

学校の中庭にて説明会

・ 子供たちは、村長(校長)の説明をよく聞き、模型と図面を興味深く観察

・ みんなで記念撮影

16:40  曲登郷を後に

20:40頃 高城賓館に到着、食事

 

 

【曲登小観察後記〜鈴木晋作】

曲登小の子供たちは、とにかく元気で楽しそうなのが何よりでした。今まで訪れた遊牧民の子供たちは概してとても元気で活動的でしたが、特にたくさんの子供たちが集まって、一緒に遊び、学ぶ姿を見たことはありませんでした。中庭で行われていた遊びは、とても簡単なものでしたが、大人数でする遊びを好んでいたような印象を受けます。若い先生も、一緒に遊んでいました。

「多くの人が集まる場」と「遊ぶ・学ぶ方法を知る機会」が同時に満たされるのが学校なのだと実感しました。これからの建設に向けて、よい動機付けになりました。

今回の説明会は、現地での人間関係作りにおいて良いスタートになったと思います。

 

曲登郷を含む理塘の状況

・ 春は、6月の下旬まで冬虫夏草(重要な現金収入)を採取するため家を離れて遠くまで探しに行っている。集落では若い労働力は、不足している。村長の話では、5月中には曲登郷の人々は帰ってくるのではないかという。村人の数は非常に少なく、若い人の顔を僧侶以外に見ることは難しい。

 

建設に関して

・ 着工の日時に関しては、現時点(5月5日)ではわからず。教育局の言う、「来週」や「すぐ」というのは、いまだに具体的な日時ははっきりしない。

 

視察後の経過に関して

・ 工事担当者は決まったものの連絡の取れない状態が続いた。ようやく担当者の馬氏に会えたのは、小学校説明会の翌28日の夜であった。

 

〜 ※なお以降の経過、最新状況に関しては、理塘滞在記録(word.file)を参照のこと 〜

 

以上 

 
   
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――――BBC世界の屋根探険会 烏里 烏沙 制作・2004年06月10日――――