Gesanmedo ――Tibetan Highlands Elementary School Construction Fund NPO

 

彝 族 の 服 飾(下)

烏里 烏沙

 前回は四川省の涼山彝族自治州の彝族の民族衣装について紹介してきた。今回は雲南省と貴州省の彝族の民族衣装について話しをしたい。

 雲南省は新中国になるまで、「人種の博物館」といわれ、三百余種の少数民族がいて、そのうち半数以上は彝族系の民族だった。

  雲南省に、現在全国55の少数民族のうち25もの少数民族が居住する(1)。そのうち、彝族が一番多く、人口は約450万人で、主に、楚雄彝族自治州、紅河哈尼族彝族自治州に集中しているが、雲南省全省に分布し、さらにミャンマー・ラオス・ヴェトナムとの国境に跨って居住している。

 雲南の地理的特徴を一言でいえば、その「立体的地形(気候)」にある。低地から高地まで標高差は約6000メートル近くあり、彝族が居住する地域は,3000メートル以上の山地もあれば,1500〜2000メートルまでの高原地帯もあり、また1000メートル以下の河谷地帯もある。複雑な地形と複雑な気候がイ族の生活する自然環境の大きな特徴であると思う。前に述べた通り、雲南には25もの少数民族が居住し、民族により、全く異なる文化をもち、民族間の相互の影響も見逃すことはできない。同じ彝族でも、ほかの民族の影響を受け、それぞれ服 飾は全く違う、それを一つ一つ細かく分類すると百数十式に分けられる、ここで全部あげるのは無理なので、地域に分けて、簡単に説明したいと思う。

 麗江地区や、廸慶チベット族自治区の彝族の服 飾は四川省の涼山彝族自治州の南部である「小涼山」地方と同じ系統だが、雲南省石林一帯のサニ人は,男性はいつも青色の布でふちをかがった白のチョッキを着て、だぶだぶのズボンを穿いている。

 雲南省路南一帯の女性は、藍色と白をかわるがわるに縫い合わせ、縁飾りをつけた斜め襟の長着に,ショールを斜めにはおり、濃い色のだぶだぶのズボンをはくのが普通である。楚雄のイ族の女性は色とりどりに刺繍した服を好む。

 南澗では,若い女性は、赤や緑色の絹地で「遮包花」(チェバオホワ)と呼ぶスカーフを被る。「遮包花」(チェバオホワ)の上に満開の花を三本挿せば、すでに婚約しているか、または既婚のしるしとなる。昆明東部の未婚の娘たちは、頭上に色鮮やかな「鶏冠帽」をかぶる。硬い地の布を鶏冠の形に切って、その上に大小あわせて1千200個の銀色の玉をちりばめたものである。これをかぶると、おんどりが永遠に娘に従っていくことを象徴し、大小の銀色の玉は星と月、光明と幸福を意味すると言われている。演池(000)一帯の一部の女性は,瓦状の帽子をかぶる。サニ人(人を使ってもいいですが、族のほうがいいかも)の娘は、頭を、何本かの模様を彩りよく刺繍した包頭(バォトオ=スカーフ)でくるみ、その包頭の左右両側にそれぞれ三角形の模様地の飾りをつける。

 イ族の女性の腰飾りも(3)、たいへん独特なものである。新平の臘魯の女性は、さまざまな色鮮やかな布に銀色の玉をちりばめた腰飾りを身につける。これは上・下二つの部分に分けられ,上の部分には銀色の玉をならべて,六角形の中央に大小二つの四角形を配した形をつくり、銀色の玉の周囲は模様でふちを装飾している。用いられる銀色の玉は、少なくて200、多いのでは、684個にもなる。下の部分は多彩なレースを飾りつける。そして、首から胸へと、銀の飾り八本をかける。

 貴州省の彝族男性の服装は四川省の大涼山と同じく、「大、色、塊」を基調にしたもので、模様は素朴で鮮明感がある。女性も四川省と同じく、右開きで縁飾り、または刺繍のほどこしてある上着に、ギャザーのたっぷり入った長いスカートをはく。一般に、襟元、袖口とスカートの裾に、青、赤、白の玉縁をつけたり、雲雷紋、水紋などの模様を刺繍したりする。長いスカートは、何段かに切り替えて、段ごとに違う色の布地(または毛織り物)を用いて仕立てられている。

 広西と雲南の境界の接する地区の彝族の女性は、腰に楡(にれ)の木の皮でつくった「腰環」という腰飾りを愛用する。

 中国では改革開放に伴い、一部の彝族は「現代」という波にのって、「漢族」に同化され、民族独自のの服飾を着用しないが、一方、彝族の服飾も今、大きな変化の時期を迎えている。一部の伝統的民族服飾工芸は大きく発展したが、現代の生活にそぐわないというので、複雑な工芸や服装は改良されつつある。

 


HOME

――――チベットカム山岳研究会・最終更新日:2009年10月15日――――