Gesanmedo ――Tibetan Highlands Elementary School Construction Fund NPO

 

彝 族 の 服 飾(上)

烏里 烏沙

 雲南省の少数民族の居住地を訪ねた人々は皆、さまざまな民族に魅了されてしまうだろう、そのうち、最も魅力的であるのは、多彩で華麗な民族衣装にちがいないと思う。雲南省には、26の民族が住んでおり、民族によって、服飾はそれぞれの特色をもっている。それは各民族の優れた伝統文化であり、世界の注目するところである。

 服飾は人類の最も基本的な物質文明の一つであり、その民族の経済的生活レベルと自然環境に必然的に適応したものである。自然経済が支配的な民族地区における服飾の製作は家庭内の手作業にたより、根本的には生産者の必要によって作られるものであって、原料、ほう(1)織からデザイン、装飾までそれぞれの民族性や、地域性による特長があり、また、教育水準、文化教養、自然環境、地理、気候の違いによって、各民族の服飾はかくも多種多様になる。

 ここで、最も人口の多い中国少数民族のひとつである彝族の服飾について語って行きたいと思う。

(上記下線部訂正前:ここで、雲南省に人口が最も多い少数民族である彝族の服飾について語って行きたい。)

 彝族の総人口はおよそ657.2万人(1990年中国人口普査による)で、大部分の彝族が居住している地域を指す時によく「大涼山」地方「小涼山」地方という表現をする。いわゆる「大涼山」地方とは,安寧河以東,黄茅垠以西の山地を指し、「小涼山」のほうは黄茅垠以東、金沙江西岸から大渡河までの地域を指している。

 雲南省は、彝族が最も多く居住していますが、一番集中している地域は

 (上記下線部訂正前:雲南省に居住している彝族が一番多い、全省広く分布している。)四川省の涼山彝族自治州であり、ここには約167.85万人(1990年全国人口普査統治)の彝族が生活している。ほかに貴州省、広西チワン族白治区にも広く分布している。

 彝族の服装は、種類も多くカラフルで、居住地区によってスタイルがかなり違っている。地理的にだいたい涼山、烏蒙山、紅河、雲南東南部、雲南西部、楚雄の各地方に分かれ大きく6つのタイプがある。しかし、総体的には、黒色、虎、火、武を尊ぶという共通の習俗がある。族系には、いくつかの系統に細分され、「サニ」族、「アシ」族、「アニ」族をはじめ、百数十の族系があり、それぞれ異なった名称でよばれており、服飾の様式や色づかいは地域による差が大きいうえ、風格もまったく異なる。

 今回は彝族の最も集中する地域である四川省の涼山彝族自治州の彝族の民族衣装を紹介したいと思う。

 涼山彝族自治州は大涼山を中心とする彝族居住地で、ここは、20世紀50年代の後半まで奴隷制度を維持してきており、いまでも、純粋的な彝族の伝統文化を色濃く残し、彝族の文化の中心地ともいわれている。ここの彝族の服飾を大きくわけると「大涼山」式と「小涼山」式があり、細かく分けると、居住する県により、服飾が違う。

 この地域では、彝族の男性の服装は、「大、色、塊」を基調にしたもので、模様は素朴で鮮明である。袖口の細い右開きの黒い上衣を着用し、ゆったりした長ズボンをはく。地区によっては、細身の長ズボンをはく。男性はヒゲがないことを美とし、左耳に黄色、赤色の珠をつけ、その下に赤いシルクのふさ状の飾りを垂らしている。

 女性は、右開きで縁飾り、または刺繍のほどこしてある上着に、ギャザーのたっぷり入った長いスカートをはく。スカートの裾には多くの色布が縫い込まれている。ロングスカートのほかに、短いスカートもある。一般に、襟元、袖口とスカートの裾に、青、赤、白の玉縁をつけたり、雲雷紋、水紋などの模様を刺繍したりする。長いスカートは、何段かに切り替えて、段ごとに違う色の布地(または毛織り物)を用いて仕立てられている。中年の婦人や娘は刺繍を施した方形布をかぶって、おさげをかくし、耳輪をつける。

 最も特徴的なのは、肩にかける羊毛製のストール「擦爾瓦」(ツァルワ)と呼ばれるマントを肩からはおる。「擦爾瓦」は大きいだけでなく厚地で、防寒、雨よけ、さらには夜具のかわりにもなる。外出するときは、男女とも「擦爾瓦」をかぶる。

 頭飾りも(2)地域によって異なり、最も凝っているのは、涼山の彝族の男性の頭飾りだ。かれらは成年を迎えると、青、黒または赤の大きなターバンで頭を巻き、右前方に長さ10〜30センチの細長い錐形の「英雄結び」にしばる。男性も(3)まげを結うが、額の上に結うのが好まれ、名づけて「天菩薩」という、男子の勇敢さを示している。

 涼山の喜徳、越西地区の彝族の娘たちは、ワーガイ長方形の刺繍のある瓦蓋(小スカーフ)をかぶり、三つ編みにした髪でおさえてとめ、色玉と花を飾る。既婚の女性は円形のスカーフをかぶる。

 

参考資料『中国の少数民族』と『中国少数民族の服飾』

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――――チベットカム山岳研究会・最終更新日:2009年10月15日――――