Gesanmedo ――Tibetan Highlands Elementary School Construction Fund NPO

 

Searching for Shangri-La

 

           標高6032メートルのセンナイニチ(仙乃日)

 

いざ、桃源郷にめざして

          チベット 人々の心を

          魅了し続けてきた

          伝説の楽園シャングリラ

          その場所がとうとう

          見つかったと言うか‥‥‥

 

 シャグリラ――この言葉を聞くと、雪に覆われた山の中の楽園のイメージがわいてくる。

 しかし、地図のどこを探してもシャングリラという地名は載っていない。シャングリラとは、1933年に出版されたジェームズ・ヒルトンの小説『失われた地平線』の舞台となった伝説の楽園だ。この小説は37年に映画化され、アカデミー賞にも輝いた。

 映画のおかげで、シャングリラは西洋人にとって伝説の理想郷になった。そこで」暮らす人々は何百年も生き、カトリックの司祭が運営するチベット仏教の僧院でクラシック音楽を聞きながら日々を送っているのだ。

 ヒルトンがこの小説を書いたのは、戦争の足音が聞こえはじめていた時期。「ヒルトンはあらゆる夢が現実になる土地としてチベットを描いた」と、『シャングリラの囚人』の著者ドナルド・ロペスは言う。

 実際には、ヒルトンはチベットはもとより、その近くにも行っていない。その彼が小説を書くにあたって参考にした資料の一つが、ジョセフ・ロックというアメリカ人植物学者の書いた記事だった。

ナショナル・ジオグラフィック誌・1937年7月号

 ロックは1922〜49年にチベットのカム地方に暮らし、ナショナル・ジオグラフィック誌に執筆していた。ロックは大勢の人を引き連れてカムの山地を歩き回り、それを記事に書いた。

  これは『NEWS WEEK』(200I.5.16)に載せたもので、その正確な場所は稲城の亜丁です。

 稲城縣は、中国の四川省の西南の縁に位置し、チベット高原の東南部にあり、横断山脈の東側にあります。コンバチベット区の甘孜チベット族自治州に属しています。北緯27゜30’〜29゜30’、東緯99゜56’〜100゜36’にまたがっています。南北の長さは174キロメートル、東西の幅は63キロメートル、面積は7323平方キロメートルです。人口は3萬人で、チベット族を主体としています。経済的では半ば農業半ば牧畜業の地域に属しています。

 稲城の地理と地ぼうはみなわりあいに特別です。その北は高く南は低く、西は高く東は低く、山山は起伏し、うねつており、草木があおあおと茂っており、山の背中と河床がかわるがわるに、一年中雪をいただく高い海抜の山の峰もあれば、奥深くひっそりとし、秘密で察知しがたい低い海抜の谷間もあるのになっています。また、広々とした草原や、さらさらと流れる谷川もあって、景色が千変萬化して、非常に人を陶酔させます。

 北部は高原の広い谷の地域です。海子山は稲城河にならんで、標高3600メートルないし5000メートル。青海・チベット高原のもっとも大きい古い氷山の遺跡で、昔から“稲城の古い氷帽子”という美称があります。その沐蝕地形の育ちが完全で、沐蝕岩盆が空の星・盤上のご石のように一面に分布していて、3200余平方キロメートルの内に大小のみずうみ(海子)が1145あって、その規模と数はみな中國ではごく少ないのです。ここは第四紀水川地ぼうを研究する重要な基地となっています。1982年、その中部では恐龍の歯の化石を発掘しだしましたし、その南部ではユーカリの化石を発見しました。海子山の多くの峰が続いて絶えなく、渓谷が縦横に交錯しており、大小の海子に漂礫をあまねく敷きつめ、怪石が林立しており、景色が煌びやかで広大です。

ロックとロックを保護するためにムゥリ王が派遣したチベット族の士兵たち

 中部は山と平原の区域で、波瓦山と赤土河を含めています。赤土河は澄みきってきれいであり、魚の群れが行き來しています。河畔の牧場は広々とし、渓流は交錯し、森林は見わたす限り果てしかありません。波瓦山は山の形勢が雄大で秀麗であり、四季の景色ははっきりしていますが、冬は雪が一面に真白に降り積り、銀造り白くつつんでいます。春と夏はつつじがいたるところにさき乱れて、芳ばしくて艶やかであるのを争っています。秋になると、紅葉が火のごとく、いくえにも重なっている林を染尽して、とりわけなまめかしいです。

 南部は高山と峡谷の地域で、俄初山が東義河にならびたっています。俄初山は海抜5140メートル、高く切りたって雄大さをますますしめしており、ぬきんでていますが、美ぼうの仙女がきちんと雲霓にすわるように、容ぼうがきれいであるのを失ないません。もっとも人を陶酔させるのは俄初山の秋の景色です。赤い愛嬌、黄色い鮮やかできれいであり、線の柔和、色とりどりで美しく、野山に満ちていますが「厚化粧しても薄化粧しても適當です」。東義河は、一匹の良馬の如く、俄初山から飛ぶように駆げ下だり、両岸の古木が高くそびえたち、切岸がかさなりあってけわしくなり濤聲がゴロゴロと鳴って、瀑布がいくえにも重なりあって、山水が相映じて妙趣が横溢するのです。

 俄初山と隣り合っているのは、チベつト地域で名聲を馳せる雪域の神韻つまり稻城の神峰です。それは三つの霊峰からなるもので、峰の名が五世ダライ・ラマに封ぜられたのだと伝えられています。北の峰はセンナイニチ(仙乃日)で観世音菩薩という意味で、海抜6032メートルです。南の峰はオーバイユー(央邁勇)で文殊菩薩という意味で、海抜5958メートルです。東の峰はカタクタキッ(夏諾多吉)で、金剛手菩薩という意味で、海抜5958メートルです。周園は約800平方キロメートルです。稻城の神峰は氷雪に鎖されて、雄大で壮麗です。山腹の五色海は七色がまだらで、変化に限りがありません。山のふもとの草原では、珍しい禽獣が人間と睦まじくつきあっています。チベット族人民はこれを神山と見なして、参拝者の往来が引き続いて絶えません。稻城は悠久なる歴史文化を持っています。全縣の13の寺院の中では、雄登寺とゴンガ嶺寺は盛名を歌われています。ゴンガ嶺寺の建物は宏大で、現存の五世ダライ・ラマに贈られた一体の彌勒銅像はまれな文物です。雄登寺は明代のはじめごろに建てられたもので、10萬冊の経書を持っており、数百体もの大小の佛像を供えています。その中に九世代目のパンゼン(班禅)がびやくだんでつくったシャガムニの佛像があります。県内のチベット族は同じ源から出たのだというものの、ばらばらに居住し、また山と川で遠くへだてたので、これによって言葉や服装や風俗などのちがいを引き起こしました。濃厚な宗教の気囲氣の洗染のもとで多くのユニークな奥深い人文的色彩を添えました。

 稻城は、「奥深い居室で養って人がまだ知らず」美しい田舎娘です。彼女の素晴しい自然風景、古風で飾り気のない民族風情、神秘的原始的人文景観、これらはとうとう時間と空間のかきねを突破り、青春の情韻と人を迷わす魅力を煥発して、彼女に愛情を傾けた写真家たちをして、つぎつぎと彼女の足下に拝伏させて、一幅一幅の精致で美しい書面で彼女の音容風ぼうを私たちの前に展開させたのです。

 美は無私であり、美は人類に属しています。あらゆる自然美と生活美を愛する人たちは、來られて私たちとともに体験し、ともに楽しめるよう心をこめてお願い申し上げます。ご来遊を心からお待ちしております。

 

ミニギャラリー

最後のシャングリ・ラ――亜丁


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――――BBC世界の屋根探険会 烏里 烏沙 制作・2003年8月28日――――