Gesanmedo ――Tibetan Highlands Elementary School Construction Fund NPO

 

・ チ ベ ッ ト 族 の 服 飾 ・

 

 

 

アムド地方牧場の少女

 

  服飾は人類の最も基本的な物質文明の一つであり、必然的にその民族の経済的生活レベルと自然環境に適応したものです。自然経済が支配的な民族地区における服飾の製作は家庭作業、手作業にたより、 根本的には生産者の需要を満たすためのものであって、原料、ほう織からデザイン、装飾までそれぞれの民族性や、地域性の特長をもっています。

 チベット族の服飾は多彩にして華麗であり、中国各民族の中にも特に特色をもっています。それはもちろんチベット族の優れた伝統文化の重要な一部となっています。

 チベット族の主要居住区のチベット高原は,平均海抜4千メートル前後で,「世界の屋根」と称されています。気温の高下は大きく,太陽の光が強く,紫外線も強いために,チベット族の男女はみな,フェルトまたは上等な毛皮で作った帽子をかぶって頭部を直射日光から保護しています。放牧地帯の女性はまた,皮膚の乾燥をふせぐために精製した動物性油脂を顔に塗るほどです。

 チベット族の服装は,チベット高原の農民と牧畜民の生活と文化の生んだ,独特なものです。地域によってわずかの違いはありますが,様式は大同小異で,基本的には,中に長袖の短いシャツを着て,その上に大きくたっぷりした長袍(蔵袍という)を着ます。そして帯をしめ,軟らかい長靴をはきます。このうち,最も特色があるのは長袍です。蔵袍はずんどう形で,男性のはたっぷりして大きく,袖つきです。女性のはやや細く,袖のあるのと,袖なしとがあります。袖つきの蔵袍の袖の長さは膝下まであり,泡は足までとどきます。袖を着る時はベルトをしめ,右腕を外に出し,懐中の空間に,「ツァンバ」(ハダカ麦で作った主食)やバターを入れた碗,はては子供まで中に入れることができます。働く時は,両腕を出し,両袖を腰に巻きます。休む時は,全身を長袍で包みこんだようにして寝ます。長い袖は枕にでき,まるで寝袋のようです。こうして自由に脱いだり,重ねたりできる多目的な衣服は,高地の遊牧民にとってまことに実用的なものです。衣服の材料と装飾には,地域によっていくらかの違いがあります。遊牧地帯では,男女とも羊の皮そのままで作った長袍を着ます。服に凝る人は,慶事のさいには小羊の皮を裏に用い,毛織物や編やどんすを表地にした長袖を着ますが,その襟のふちや袖口を,上質の毛皮または赤,緑,黄,青などプールーかわうその色のプールー(厚い毛織物),あるいは川獺,豹の皮などで飾りつけます。農業地帯では衣服はかなり薄いです。綿布,プールーまたは絹,どんすを使い,あわせにしたり,または薄く綿を入れたりします。チベット地区の女性は,長袖の短いブラウスに,袖なしの長袖を着て,腰に色鮮やかなエプロン(チベット語ハンタンで邦単とよぶ)をしめます。山岳地帯の女性のエプロンは長くて美しいです。改革を経た現在のチベット女性の衣服は,より細身になり,色調も落ち着いたものとなりました。エプロンは短いながらも色の調和に配慮しています。

 昔のチベット族の男女はみな弁髪をしたものです。女性は,弁髪に色糸を編み入れ,頭上で巻きつけます。男性は弁髪を一本にするか,または髪が頭をおおう程度に短く切る。遊牧地帯の女性は,頭上にたくさんの編みさげを作ります。チベット族の女性は頭飾りに特別の注意をはらい,銀幣,琥珀,珠玉などをさまざまに組み合わせます。

 チベットの女性は,いつもイヤリング,首飾り、胸飾り,腕輪などさまざまな装飾品を身につけるが,みな貴重な珊瑚,めのう,トルコ石,金,象牙などをはめこんであり,地区によっておのおのの特徴をもっています。チベット族の「朝霞錦」(昔は蕃錦と呼はれた),ホワジイ(毛織りのじゅうたん)は古くから有名で,唐史の記載によりますと,唐の頃,吐蕃(つまり今のチベット族)が長安へ送る贈り物の明細書には,朝霞錦,ホワジイ,金銀器や宝飾刀などが含まれていました。これらの製品は,その生産技術の上で,現在なお伝統的な民族の特色を保持しており,チベット族の人々から深く愛されています。ラシャとフェルトと皮革で作られたチベット靴は,底は硬く,中央部の左右両側の部分は柔軟なので,はき心地がよいです。靴先は四角いもの,丸いもの,とがったものなど各種あります。後部に10数センチのスリットがあって,ぬぎやすくなっています。チベット族の服装と頭飾りのデザインは,地区ごとの違いはあっても,その模様と色づかいはみな,吉祥を願い美麗を尊ぶことで共通しています。

 いまは、チベット族の服飾もいま大きな変化の時期を迎えています。一部の伝統的民族服飾工芸は大きく発展したが、現代の生活にそぐわないと工芸や複雑な服装に改良されつつあります。

 中国の少数民族の服飾は中華民族の優れた伝統文化であり、世界からますます注目を浴びてきています。今後、それは服装のスタイルを豊かなものにし、人々の生活を美しくするために大きな役割を果たしていくにちがいないと思われています。

ミニギャラリー・チベット族の服飾

 


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――――BBC世界の屋根探険会 烏里 烏沙 制作・2004年6月25日――――