Gesanmedo ――Tibetan Highlands Elementary School Construction Fund NPO

 

今年も一歩一歩を積み重ね、実り多き成果を目指して活動しましょう
チベットの初等教育の調査と今年基金会のプロジェクト
理事長 鳥里 烏沙

 

 明けましておめでとうございます。去年の秋から日中両国の関係も少しずつプラスの面に進めているし、青藏鉄道が開通によって、チベットもますます身近になってきたと感じます。基金会も今年にいろいろな事業を企画し、実行していきたいと考えています。

 二〇〇四年の夏、富士山より五〇〇。高い高地チベットの遊牧地域に小学校を完成してから、二〇〇五年に郵政公社の国際ボランティア寄付金をいただいて、校舎の内装工事や施設の増加などを行いました。二〇〇六年にもいくつのチベット現地体験・調査の旅を企画してきました、そのうち、理事の斎藤先生、北田英治さん及び早稲田芸術学校建築学科の学生数人がゲーサンメド小学校を訪ね、子どもたちの生活についていろいろ調べてきました。日本に帰ってから、どういうかたちで支援して行くか、理事会でゲ−サンメド小学校の寄宿補助について議論し、寄宿している子どもたちが、食費を払えない理由に学校をやめる子いることで、寄宿生の食費を援助するのが最も必要なので、今年から寄宿生に、基金会から食費の補助金として、支援すると決定しました。

 二〇〇六年の夏から秋にかけて、わたしがチベット自治区をはじめ、チベット族住む地域をまわるチャンスが得て、中国で最も美しい国道でもあり、一番危険な路ともいわれている川藏公路を横断し、出来上がったばかりの青藏鉄道も体験してきました。そのあいだに、子ども教育についても調べてきました。そのなか一番印象に残しているのがチャムド地区八宿県の来古村初等小学校を訪ねたことです。

 わたしたちが来古村初等小学校で三日間もお邪魔させていただきました。来古村初等小学校は曲登郷ゲーサンメド小学校と同じく、川藏公路から四〇キロを離れた奥地です。学校には教室三つがあり、一年生から三年生まであわせて四〇人の生徒がいます。先生は去年六月に河北師範大学から卒業した二人の女の子と校長あわせて三人で、三人ともチベット族です。校長先生はここの村長も兼ねています。学校の入学率はほぼ一〇〇%と教えてくれた。

 高い入学率にびっくりして、その理由は、学校に来ない生徒に対し、罰金を取るからです。半日来ないと、五元の罰金を取られ、一日欠席する場合は、一〇元を取られるので、けっこう効果があります。生徒のなかに、一五才の子を見かけたので、先生に聞くと、彼はいままだ一年生です、やはり、親が罰金を払いたくないので、かれを勉強させたわけです。

 住民の豊かさから見ると、ここより、曲登郷のほうがまたましです。ゲーサンメド小学校も罰金の制度を導入したほうがいいかもしれません。

 学校の校舎が古くてよくないですね、と聞くと、先生は、来年からここに新しい校舎を作る予定と教えてくれました。わたしたち来古村にいる間にちょうど北京から二人の教師が来て、二人も北京の大学で建築を教えています。彼らと小学校の設計について、いろいろおはなしができました。やはり、学校の建築デザインも大事だから、変な建物を作るとおかしいから、彼らのはなしを聞くと、安心しました。今度ここを訪ねる時、チベット式を生かしながら立派な学校を見学するのも一つの楽しみです。

 来古村初等小学校を出る前、先生に子どもたちはなにが一番ほしいですが、と聞くと、古着があれば、送っていただきたいとい言いました。

 いま中国では連続二ケタの経済成長率で発展し、沿海地区は豊かになっているし、来年からすべての農村小学校が学費を免除するとなったが、やはり厳しいところは厳しいです。

 チベット高原の初等教育についていろいろ調査したうえ、今年のプロジェクトを考えなければなりません。基金会が次の援助する場所と考えているところは甘孜チベット族自治州色達県亜龍郷です。色達県は自治州の北部に位置し、県政府所在地から亜龍郷までは約二〇キロ、亜龍郷は四つの行政村があり、総人口が一八六四人で、そのうち、牧畜民が一七〇七人、非牧畜民が一五七人です。当地域は高原の純粋牧畜地区で、資源が乏しく、経済が後れて、交通も不便です。食物が不足している為、牧畜民たちが放牧を主として、「水や草を追い求めて居所を移す」のような不安定な遊牧生活を送っています。一人当たりの年収は六八〇元(約一万円)しかありません。

 色達県の小学校を援助する以外は、三月にチベットを紹介するスライド上演会を行う予定、四月には練馬区区立ギャラリーで写真展「チベット高原の子どもたち」を開催することとなっています。五月にも四川省の子どもたちを呼んで日本で「日本・中国四川少年児童芸術交流活動」を企画しています。子どもたちにはチベット族や彝族も含まれています。特に「日本・中国四川少年児童芸術交流活動」が基金会にとって、いままで企画したことがないので、この交流を通して、日中両国の子どもたちはお互いに理解したうえ、友達になり、友情を深め、これからの日中友好の掛け橋になっていると信じています。

 ゲ−サンメド今年の事業としては企画しませんが、いつか日本の子どもたちをつれて中国の民族地域を訪問したいと考えています。現地の子どもたちと交流することや、日本を知ってもらうために中国の民族地域で日本文化を紹介する写真展を開催したり、現地の人たちの暮らしを体験したり、できるだけわたしたちのNPOの活動を幅広く広げていきたいと考えています。

 チベット族をはじめ、中国少数民族の諸相にご関心をお持ちの方々、ゲ−サンメドの主旨にご賛同いただける方は、ぜひわたしたちのボランティア活動にご参加、ご協力していただきたいです。

 


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――――チベットカム山岳研究同行会 烏里 烏沙 制作・2007年12月15日――――