ミニャ・コンカ風景名勝区の植物たち

 

 「ナワ馬溜溜的山上、一朶溜溜的雲モエ、端端溜溜的照在康定溜溜的城モエ‥‥‥」

 民謡一曲で康定は、中国に世界にその名を知ってもらった。中国人で康定の名を知らない人はいないだろう。それは1952年にオーストリアの首都ウィーンで開かれた「世界青年祭り」の時、銀メダルをとった中国名曲『康定情歌』のおかげである。

 谷間につくられた町――康定。高度5,000〜6,000mの山々に囲まれ、その近くに山の王者とも言えるミニャ・コンカ(標高7,556m)は、四川省西部、雲南省西部、チベット自治区東部にまたがる横断山脈の最高峰である。その周辺は50座以上の万年雪をたたえた山々があり、ミニヤ・コンカは唯我独尊とばかりに、ひとり高くそびえている。

 ミニャ・コンカ風景名勝区は1988年8月に、国家級風景名勝区になった。その面積はおよそ1万I以上あり、康定、瀘定、九龍の3つの県及び特大風景名勝区で、いままで中国でもっとも大きい風景名勝区である。

 康定から川藏公路を通って折多山峠までの間に、たくさんの種類の花を楽しめる、季節や高度によって花の種類は違うが、サクラソウ属をはじめシャクナゲや青いケシなど、実に多彩で魅力的である。特に折多山峠の手前の急斜面には、青いケシが多く見られる。

 木格措は康定の一つの観光地になっているが、シャクナゲがお好きな方は一度行ったほうがいい。気候により、毎年すこしずれるが、季節的には5月上旬から末までの間が見ごろで、場所としては木格措の入り口から七色海までシャクナゲが海のように広がり、薄いピンク、赤、白などが交ざって、この花の海洋に入り込んで、心の底まで酔ってしまい、幸せ気分がいっぱいになる。

 吉田外司夫氏の『天の花回廊』によると、木格措のシャクナゲの中に、ロードデンドロン・ヴェルニコースムという一種がある、この花の集団がとくに華やかに見えるのは、淡紅色や白色の花の中に、膨らみかけた深紅色の蕾が点描画法で描き足したように交じっているからだ、とある。

 アヤメ科の種類はミニャ・コンカの周辺でよく目に入るが、アヤメ科を楽しめる名所は新都橋から九龍に抜けて、鶏丑山を越えてから九龍の県城の間に、手を入れてない自然がそのまま残っている。六月中はちょうどアヤメ科を楽しめる季節で、道路の両側にはユリ科の種やサクラソウ属などがよく見られ、なかにはアヤメが満開で、一番目立つといえよう。そして、町から六キロ離れる名所伍須海のあたりは、植物を楽しめる最高の場所で、5月から10月の間にシャクナゲ、サクラソウ科、アヤメ科、ユリ科などなど絶え間なく咲続き、まさに天然の花園である。

 新九公路九九公里のところから右の分け路に入ってコンカ郷に向かう途中、多種の高山植物をご覧になれる、子梅峠の手前あたりは、素晴らしい高山植物がいっぱい見られる。子梅峠に立つと、だれでも涙が出るほど感動してしまうだろう。目の前に、横断山脈の最高峰ミニヤ・コンカ(標高7,556m)が大きく聳えたっているからである。

 ミニャ・コンカの周辺では、木格措の向こう側の雅拉山渓谷(丹巴から八美のあいだの分け道にはいる)や、ミニヤ・コンカ東の海螺溝、燕子溝などがある。海螺溝は中国随一の観光地になっているが、植物を観察するのは十分に価値があると思う。

 

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―――チベットカム山岳研究同好会・最終更新日:2009年2月26日―――